寿命

実家がまぁまぁの田舎にありまして。


野生の動物とかもたまに見かけるんですよね。


少し歩いた所ではイノシシを飼ってるんです。大きな檻の中でいつも眠ってます。

もうだいぶ大きいです。エサにも困らないし、寝てればいいし。

軽く5年以上は余裕で飼われてます。




ある日、親父と車でその家の前通って。




「そういえばあそこの家のイノシシも元気無くなってきたなぁ。」


と親父が窓を眺めポツリ。



「まぁ、だいぶ年やろうしね。よく生きてたよ逆に。」


「俺も長くないやろうけど、あのイノシシは来年はもう見れんやろうなぁ。」



「ちょっと(笑)何よ。急に。」



「いや。正直な話。もう無理やろ。」



「まだまだ元気でいてもらわんと。」



「元気言われてもお前には何の迷惑もかからんやろうが。」



「迷惑とかは思わんけどさ。そんな寂しい事言わんでや。」



「寿命っちゅうもんがあるけんな。しょうがない。」





まぁ。お気づきだと思いますが。


俺は親父が自分の寿命の事言ってると思い、


でも親父はイノシシの寿命の事を言ってまして。



すれ違いコントのような会話が少し続いたんです。



いや、勘違いした俺も悪いけどさ(笑)


紛らわしいねん。シリアスな会話調になるし!


イノシシの事言ってるとは思わんやん!



後から聞いたら、親父は親父で

「こいつそんなイノシシ好きやったかな。」って思ってたみたいです。


最終的にどうなったかというと。




その後も頑張れ・大丈夫って俺と


もう無理・寿命って親父の攻め合いが続き。




親父の放った一言


「まぁいいやんか。寿命来たらそれはそれで鍋にするんやないか。」


「誰が食うねん!人の親父を!鍋葬て!」


「え?」


「え?」


やっとすれ違ってた事が判明しました。





しばらく無言の車内でした。


そして親父が一言。




「お、俺はまだ生きるぞ(照)」



「お・・・おう(照)」


FMラジオ付けてたのが救いでした。