死体

高校生の頃にですね。

僕の周りでまことしやかに噂になっていたものがありまして。


都市伝説なものです。


身元不明の死体を洗う仕事があるらしい。1体につき1万円。


というもので。


実際あるかどうかも知らないしあってもやりたくはない。


そんな話をしてたんです友人と。


んならその友人が「やろう」と。




嫌だ。と俺。



「だって金欲しいやん!下手したら100万円とかいくぜ?」


馬鹿かと。


戦国時代か。そんなねーわ。


そもそも君はどこでするつもりなんだい?



ってなりまして。




「そりゃ、病院の地下室とかやろ。」



妄想!!妄想を止めて!


よし分かったと。


そういう仕事がもし本当にあるんならその時は考えてやる。


と、譲歩したら友人が家の電話持ってきて電話帳片手に病院を調べ始めまして。



友人は番号を何のためらいもなく打ち始めるんです。そういう子なんです、バカ
なんです。


そんな仕事あるはずない。

そう思いながらも友人の持つ受話器に耳を当てコール音を聞く。


ガチャ(出た!)



<はい、〇〇歯科医院です。>


このバカチン!!!

歯医者じゃねーか!!

切れ切れ!!


ジェスチャーで友人を促すと友人は



「あ、切ります。」

言わなくていいんだよ!!


受話器を置く友人。


「何で切らんといけんのよ。」


バカ!!歯医者に電話してどうすんの!!

歯医者にそんな仕事ねーわ。どんだけクレイジー歯科やねん。


「…あ。そうか。」



こんこんと説明して、今度は近所の大学病院に標準を合わす。


でも、その大学病院色々番号があるんですよね。


〇〇課とかがいくつも。


「どれにかけたらいいんやろ。」


いや、どれも不正解やと思うよ?思うけど…。




「やっぱり総合案内じゃない?」って。


「あ、そうか。そこで案内してもらおう。」って。


(※本当いい迷惑ですよね。すいません。でも友人はマジだったんです。)


先ほどと同じように受話器に耳を近づける。



ガチャ


<はい〇〇大学病院総合受付センターでございます。>


「あ、あのですね。死体を洗いたいんですけど…。」



<…はい?もしもし?>



「死体を洗いたいんですけど。どこに電話したらいいか分からなくて…。」


<…え…と。>


「高校生2人です。どうでしょう。」


何で上から目線なんだよ。



<当医院では行っておりませんが…>


「あ、そうなんですね…。すいません。また電話します。」


【また】って何だ。次はねーんだよ!


受話器を置く友人。



そして一言。


「次はどの病院にする?」





お前ひとりでやれ。