英雄

男っていつまでたってもヒーローに憧れるもんで。


小さい時に見たテレビ画面で悪党を蹴散らす仮面ライダーウルトラマンなんか
の映像が未だに脳内にこびり付いてるんです。


カッコいいな。ヒーローになりたいなって。


昔みたヒーロー作品なんかがリメイクされたりしたらつい見ちゃう。


年齢なんか関係ない。僕はいつでもヒーローに憧れている。


そりゃ怪人・怪獣なんか実際出てこないけれど。


悪党がいたら僕だってやっつけたい気持ちはある。


必殺技なんかないけれど。


僕はいつでもそう思ってる。



弱い物の味方でいたい。



ずっとそう思っている。














とは、言ったものの。そんな事件もある訳ないし、それよりも何か起きたらすぐ
警察だろう。


(何考えてんだか…)


自分自身で呆れてしまい、苦笑しながら喫煙スペースへと向かうと何やら騒がし
い声が聞こえてくる。




「お前ふざけんなよ!!」


「痛っ!ちょっと何するンスか~!!」


揉め事?壁に背をピタリとつけて耳を澄ます。


後輩のAとBの声。理由は分からないが、なにやらAが怒ってるようだ。BはAより
も1年後輩。


まさか、暴力事件に発展しないだろうな!!ゆ・・許せん!!



「待てぇーーいっ!!」

 

勢いよくドアを開いて俺、参上。



「「あ、お疲れ様っす!」」 AとBが少し驚いたように返事する。


僕はAを指さし叫ぶ。

「貴様の思うようにはさせん!!」



「え?何スか(笑)」


そしてBに優しく声を掛ける。

「少年、もう大丈夫だ。」


「い、いやアルさん?俺もう30なるんで少年ってのはちょっと…。」



A「アルさんちょっと聞いて下さいよぉ。」



「黙れ黙れっ!!そうやて俺にまで悪魔の囁きで誑かすのか!そうはいかんぞ!」



A「…。」


「少年、ケガはないか。この悪党に何もされてないか!?」



B「少年て(笑)もう30っす!」



A「いや、アルさんあのね?こいつね今度の飲み会パスしてコンパ行くらしいっ
すよ。」



B「いや、それは…ほら。」








「フフフフ…。ついに正体を現したなクソ悪魔め!少年の姿で欺きやがって!!」



B「うそ。俺!?いや違うんすアルさん。」



「我々の飲み会をパスしてまでコンパに行くというのか!!残虐な奴め!」



A「そうだそうだー!」



B「いや地元のツレがどうしてもって事で…。」




「…少年よ。男性陣の頭数は揃っているのか?」


B「…多分。」




「よし。分かった。私も参戦しよう!」



B「何も分かってないし!!いやダメっすよ!」



A「あ、俺も!」



B「いや無理っす!ちょ、電話かかって来たんですんません!」


逃げるように出ていく悪魔少年。




A「あ~あ。どうしますアルさん。」



「…うん。Bに女の子紹介してもらおっか☆」





こうして、社内の平和は守られたのであったが、悪の組織の力はそこまで来てい
たのであった。


次回、「コンパ自体が中止になった。」

 


ご期待ください!